チャートを使った見応えのある石室

  今回の足利公園3号墳についてはほとんど情報がありません。いつものように市のHPの文化財にアクセスし見つけた古墳です。とはいえ考古学の専門家の間では知られた古墳のようです。現地説明版によれば日本の考古学の先駆者坪井正五郎(迂闊にも知らなかった)がはじめて本格的な調査を行った古墳なのだそうです。しかも足利公園も明治13年の開園という長い歴史を持ちます。だからでしょうか公園の名称がついた古墳はそれほど多くはないなか3号墳とつけられています。調べていくうちに足利市には1300基以上の古墳があって栃木県内で最も多く古墳が造られた地域ということがわかりました。なるほど地図を見ると古墳が造られた地域は市の中央を流れる渡良瀬川の北側になり、古墳の立地としては最適だということがわかりました。

  残存する9基のうちの市の史跡指定を受けたのは3基。そのうち1基の3号墳ですが丘陵に渡良瀬川を見下ろすように造られた墳長34m2段築成の小さな前方後円墳です。6C後半に造られたと考えられているだけに墳丘前方部は発達し幅は24mと後円部径と同じです。しかしなんといっても3号墳で見逃せないのは横穴石室が完存していることでしょう。崩落の危険性があるとのことで入室はかないませんでしたが長さ3.3m 幅1.8m 高さ2.1mの玄室はやや持ち送られチャート(山石)で造られています。流れによって丸くなった川原石を用いた積み上げられた石室に比べシャープな印象を受けたのですが皆さんはどう感じられたでしょう。直刀、鉄鏃、冑等武具、金銅製杏葉(ぎょうよう、装身具)馬具、須恵器などが副葬されていました。アクセスは東武伊勢崎線足利市駅から徒歩20分。北側を流れる渡良瀬川を渡り県道67号線を西に歩き4つ目の信号を過ぎて県道40号との交差点を北にあがると公園です(撮影2019112日)。


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足利公園3号墳基本データ

所在地 栃木県足利市

形状 前方後円墳

規模 墳長34m、後円部径24m 高さ6m、前方部幅24m

横穴石室規模 長さ7.9m 玄室長3.3m 幅1.8m 高さ2.1m

2段築成

築造時期 6C後

出土品 直刀、鉄鏃、冑等武具、金銅製杏葉(ぎょうよう、装身具)馬具、須恵器

史跡指定 足利市

特記事項 日本ではじめて人類学者坪井正五郎により本格的な調査が行われた古墳


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