横穴石室を上から見ることができる珍しい古墳
追手門学院の茨城キャンパス造成中に発見された今回の真龍寺古墳は長さ4.5mの石室をもつ径22mの円墳です。羨道の状況が不明なために石室全体の長さはわからないと説明板にはありました。墳丘は木々が繁茂し動画1でみるように円墳という形はわかりません。それもそのはず円墳の上半分の封土が削られてしまっているのです。ですから肝心の柵に囲まれた横穴石室は上から見下ろすことになるので一見すると竪穴石室の天井の板石を抜いた感じに思えます。横穴石室ということを確認するには石室と同じ高さで玄室を見ることができればよいのですが、石室内には降りられず残念ながらそれは叶いません。それにしても天井板石が抜き取られた玄室や残された羨道の一部から推測するとかなり大きな横穴石室だったのではと想像されます。奥壁は2段ということが上から見てもわかります。やや細部にわたりますが羨道幅よりも玄室幅のほうが大きく、上からのぞくと片方の羨道横壁と玄室横壁はつながっているようにみえたので片袖式と考えたのですが、調べてみると両袖式のようです。実際に石室に降りれば確認できたでしょうに残念です。
事前に連絡をしなかったにもかかわらず追手門学院中学・高校の事務の方はご親切にもグラウンドの隣に保存されている古墳まで案内してくださいました。ありがとうございました。アクセスはJR茨木駅から追手門学院茨木キャンパス行の直通バスが運行されています。構内で中高事務室を訪ねるとよいでしょう(撮影2018年4月4日)。
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