変わった造りの家型石棺は必見
 今回の小型の円墳散田金谷古墳、非常に美しい石室に石川県唯一の家形石棺が良好な姿で据えられています。石室ファンにとって重要な入室しての見学が可能というのも嬉しいですね(当日は困難で事前に町の教育委員会に連絡して開錠してもらう必要があります)。いつもながら入室するときは胸の高まりを覚えるのですが、ほどよくライトアップされた石室は自然石を用いながらも細部にわたり繊細な印象を受けました。奥壁は5段以上積みあげたもので巨石の一枚岩ではありませんが表面加工されておりなかなかのものです。現地の説明板では天井石は6枚で、復元整備の過程で欠損していた3枚を追加したとのこと。大型の石は当時調達できなかったようです。
 注目したいのは家形石棺の蓋の部分です。寄棟造りの屋根に千木(ちぎ)(神社の建物の棟の両端に交差して立つ木造の飾り)状の突起がついています。動画2の後半で屋根上の蓋の特徴がよくわかります。それにしても珍しいですね。
 古墳のある宝達志水町(ほうたつしみずまち)は地図で見ると金沢から能登半島の七尾市、富山湾の氷見市に抜ける分岐点にあり今でも交通の要所です。古墳時代にも変わらぬ役割を果たしていたことは容易に想像できます。といっても今では公共交通機関を使って訪ねるとなるとかなり不便です。金沢から七尾線に入り一時間ほど敷浪で下車、そこからコミュニティーバスに乗る予定でしたが、半島を東に進むバスがないようで、やむなくタクシーを使いました。散田金谷古墳の北に隣接して公共の温泉、古墳の湯があり、そこを目指しました。さすが国指定の史跡だけあって道案内もしっかりしていて迷うことはありません。なお動画4の後半に裏山にある石坂鍋山古墳の円墳のいくつかを付け加えておきました(撮影2016年10月31日)。


散田金谷古墳の位置
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散田金谷古墳基本データ

所在地 石川県宝達志水町

形状 円墳

規模 径21m×18.5m 高さ3.7m(復元に際して4.7m

石室規模 全長9.85m 玄室長さ5.72m 奥壁幅2.65m 高さ2.76m

家型石棺 長さ2.3m 幅1.1m 高さ1.27m

築造時期 6C

出土品 馬具、直刀、鏃、須恵器の高坏、壺等

史跡指定 国指定

特記事項 動画でも触れているように家形石棺の蓋が珍しい形状


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