墳長全国第二位の古墳
 古市古墳群では最大、全国では第二位の応神天皇陵(誉田御廟山古墳)の全景を紹介するのは大変に難しく、悩みました。仁徳天皇陵(大仙古墳)の場合と同じようにヘリ上空からとも考えましたが、古墳時代の人々は見ていないわけで止めることにしました。しかし古市古墳群も百舌鳥古墳群も巨大な前方後円墳の大半は宮内庁の管理下にあって墳丘は森林に覆われ確認することは不可能です。せいぜい、できることは前方部中央に設けられた拝所から周濠をはさんで墳丘の高まりを想像するだけです。何か他の方法はないか考えながら応神天皇陵の濠沿いを羽曳野市役所方向から歩いてみました。すると墳丘西側の濠の外側に広がる農地のどこに立っても墳長420mの後円部から前方部まで一望できることに気が付きました。仁徳天皇陵の場合、一番外側の濠の近くまで住宅や森が迫り、それは不可能でした。応神天皇陵の場合も東側は他の古墳があり眺望は効かず、墳丘にも近づけません。是非、西側を歩いてその大きさを実感されることをお勧めします。

 全国の古墳を歩いて改めて気が付いたことは、地域の古墳群の盟主墳として100m以上の前方後円墳を見ることは少なくはないものの、墳長200m以上が7基ある古市古墳群、4基以上の百舌鳥古墳群のような巨大前方後円墳が古墳時代中期に集中して築かれたところはどこにもないことでした。権力の中心がこの時期河内にあったことを証明するものです。

 動画1では応神天皇陵(誉田御廟山古墳)、動画2では墳長290m、応神天皇の妃である仲津姫の陵墓と宮内庁が指定している仲津姫陵(仲津山古墳)の前方部からの姿をとらえています。もっとも考古学的には仲津姫陵のほうが先に築かれたそうです。フェンスが張り巡らされているためにデジカメを突っ込んでの撮影です。動画2の最後には仲津姫陵の陪塚とされる一辺50mの方墳、鍋塚古墳を紹介しています。古市古墳群では数少ない墳頂まで登れる古墳です。既に登れる古墳、古室山古墳大鳥塚古墳を紹介しています。合わせてご覧ください。応神天皇陵へのアクセスは近鉄南大阪線古市駅から羽曳野市役所を目指し国道170号線を渡ると応神天皇陵墳丘西側に着きます。(撮影2015128日、2017220日)。


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応神天皇陵他基本データ

所在地 大阪府羽曳野市(応神天皇陵)

藤井寺市(仲津姫陵、鍋塚古墳)

形状 前方後円墳(応神天皇陵、仲津姫陵)、方墳(鍋塚古墳)

規模 応神天皇陵 墳長 425m、後円部径250m高さ35m、前方部幅300m 高さ36m
仲津姫陵 墳長 290m、後円部径170m 高さ26m、前方部幅193m 高さ23m

鍋塚古墳 一辺50m63mに復元できるとの見方もある)、高さ7m

築造時期 5C

出土品 円筒、形象埴輪等

史跡指定 鍋塚古墳 国指定

特記事項 応神天皇陵築造前に東側に二ツ塚古墳古墳が築かれていたために周濠が歪んでおり、前方部は734年、1510年の直下型地震のために一部崩れているそうだ。


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