必見!線刻模様 
  これまでも石室内に描かれた線刻模様のある古墳はいくつか紹介してきましたが、私の視力の衰えのせいもあってか必ずしもはっきり、くっきりと認識できるものはあまりありませんでした。厳重な保護管理された石室ではやむを得ないのでしょうが照明を極力落としているためにみづらく、HPや図録でみたものとはずいぶん違うとの印象をもったことがたびたびでした。その意味で今回はよい意味で期待を裏切られました。多くの方がそう思われるのではないでしょうか。

 非常にラッキーなことにお自宅の敷地内に古墳のある御当主のお話では、今日は本当に「よく見えますな」とおっしゃっていました。天候、特に湿度に非常に左右されるのだそうです。それにしても複室の前室から後室の奥壁に描かれている円紋を見た時には、その遠目にも見える鮮やかな朱色に度肝を抜かれました。妙な表現ですが、つい最近描かれたような、レプリカのようなそんな印象なのです。その状態を動画でどこまで伝えられているでしょうか。

 「装飾古墳の世界」(祥伝社、2010)を書かれた考古学者大塚初重さんは「墳墓を装飾するということが古代人の心の中になかったわけではなく、装飾ということより死への旅路の冥福を祈った人々の祈りの具象化なのであった」と書いています。なるほどそうなのかと思って見返すと動画2の船と思しき模様は被葬者を乗せた旅立ちの船のようにも思えます。そのような蘊蓄はこのぐらいにして描かれた文様を存分にお楽しみください。実は

まだアップしていない熊本県山鹿市のチブサン古墳や茨城県ひたちなか市の虎塚古墳など、ずっと大がかりで複雑な模様が描かれた壁画古墳がありますが写真撮影はできず見学者の胸の内にしまい込むしかないのは残念なことです。その意味でも所有者にご挨拶すれば見学でき撮影も可能という鬼塚古墳は実に貴重です。

 肝心の石室ですが九州によくみられる複室構造です。残念ながら羨道は欠損していますが、玄室の天井が意外に高くてびっくりしました。奥壁は同心円紋などが描かれた二段と天井近くの三段積みで持ち送り構造です。なお墳丘は川原石に固められていますが後世のものだそうです。アクセスはJR九州久大線豊後森駅から西に3㎞ほど小田簡易郵便局の近くですが、詳細は玖珠町教育委員会に問い合わせることをお勧めします(撮影20171031日)。

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