前方後円墳は全国で5200基を越えて確認されていますが、最も北に築かれたのが今回紹介する岩手県奥州市にある角塚古墳です。古墳時代後期の6C初めの築造といわれています。畿内では大型の前方後円墳の築造が終わりに近づいた頃のことです。多くの場合、古墳はその地域を支配した有力者が数代にわたって同じ区域に築いているというのが一般的ですが、この角塚古墳は一代限りのようです。それこそポツリと築かれ、前方後円墳は南に70㎞ほど下った宮城県北部の大崎地方までないそうです。北上川の支流胆沢川沿いに位置します。

 北限の前方後円墳というのでごついこれぞ前方後円墳の姿を想像していたのですが、動画1でおわかりのように現状は黄色の菜の花畑に浮かぶ可憐な感じの小型の墳丘でした。後世に植えられた後円部頂上の一本杉が実に絵になっています。

 墳長約45m、後円部径が28m 高さ4m。遠くからも二段築成であったことがよくわかります。高さ1.5m、長さ10mほどの短い前方部は西側が削平されています。動画2で後円部から下ってくるショットでその点が確認できます。できるだけ手を加えずに保存するという方法をとっている墳丘ですが、元は葺石があり円筒埴輪や家形をはじめ形象埴輪が巡っていたことが発掘調査の結果わかっています。6Cといえば埴輪が畿内では次第に廃れていく一方、東国では盛んに使用される時期ですが角塚古墳もその例外ではなかったということでしょうか。

 アクセスはJR東北本線で水沢駅から古墳のある角塚公園前を通るバスがありますが、午前中は走っていません。歩くには距離がありすぎるのでやむなくタクシーを利用しました(撮影日2017420日)。

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角塚古墳基本データ

所在地 岩手県奥州市胆沢区南都田

形状 前方後円墳

規模 墳長 約45m 後円部径28m 高さ4m、前方部 幅10m 高さ1.5m

後円部二段築成、葺石あり

築造時期 6C

出土品 円筒埴輪、家、動物、人物の形象埴輪

史跡指定 国指定

特記事項 日本列島の最北端にある前方後円墳



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