珍しい神奈川の古墳石室
 今回紹介する古墳は終末期に築造されたと考えられる神奈川県相模原市にある当麻谷原古(たいまたにはら)古墳群の12号墳です。谷原古墳群以前、この地には旧石器時代、縄文時代の村落遺跡があり住居跡や石器製作跡が発見され田名向原遺跡として公園化されています。弥生時代を飛び越し古墳時代の終わりになるとまた村が築かれたようです。そして径20m程度の小型の円墳が14基築かれ、今回紹介する12号墳からは刀剣類、鉄鏃、玉類、土師器が出土しています。大半が消滅し1号墳が相模原市ポンプ場残され(フェンス越しに見学)、それとは別に田名向原遺跡公園内に12号墳が60m北の地から移築復元されています(その他二基が公園内に残る)。相模川の河原石を使って造られたのでしょうか素朴な味わいのある石室です。かなり長い羨道と玄室も直につながった無袖式です。おそらく築造当時はこのような出来具合ではなかったかと思わせる復元ぶりです。アクセスはJR原当麻駅から西に徒歩30分です。まず52号線に出て相模原ポンプ場を目指し1号墳を見たあと、至近の距離の田名向原遺跡公園を目指します(コンビニの前です)(撮影日2016102日)。
  歩いてみて神奈川県にもかなり多くの古墳があることに驚かされます。簡単なイメージ図を作成しましたがやはり河川沿いに古墳が多いような気がします。これまで紹介したのは稲荷前16号墳秋葉山2号秋葉山1号長柄桜山2号墳(いずれもクリックすれば飛べます)のような前期及び今回の当麻谷原、加瀬台3のように終末期のものが多く、中期は秋葉山古墳群中の1号墳に留まります。中期は墳長7-80m程度の愛甲大塚、地頭山など複数ありますが残念ながら開発のため大きく破壊されこのブログではとりあげることはしません。
 神奈川の古墳位置関係17年2月アップ済み