今回紹介するのは福岡県八女市の標高100mほどの山懐に広がる童男山古墳群に属する1号墳です。南西向きに開口する複室式の巨大な石室を持つ径45mの円墳です。といっても動画1でおわかりのように羨道部分がそっくり失われているので、現在の墳丘は相当破壊されていると考えられます。この1号墳をはじめとして現在7基が見学可能ですが元は27基からなる古墳群だったようです。登るにしたがって狭い区域にコンパクトに古墳が立ち並んでいます。1号墳はたしかに羨道がなくなっていますが、それに気づかないほど前室が大きく驚かされます。個人的には巨石で組み立てられた前室の優美さにひかれます。複室式の横穴石室は福岡市の夫婦塚2号墳(クリックすれば飛べます)ですでに紹介していますが、規模という点では童男山1号墳がはるかに上回ります。比較してご覧ください。

 壮観なのは後室の中央壁際に設置された組み立て式の安置施設、凝灰岩製の石屋形(長さ2.5m、幅1.3m、深さ0.5m)とその上の天井です。動画2でそのバランスの妙をご確認ください。ただ石屋形の中にこちらを向いて座る石仏がなんとも不思議です。

 八女市HPはじめ様々なところで触れられていますが、この古墳は秦の始皇帝の時代に不老長寿の秘薬を求めて旅をした徐福の墓との言い伝えがあります。どう考えても時代が合わないのですが、それはともかく海上で遭難した徐福を救助したのが八女の住民で、その甲斐もなく亡くなったということになっています。そのことから旅の安全祈願の対象とされてきたそうです。アクセスはJR鹿児島本線羽犬塚(はいぬづか)から堀川バス 矢部 星野行きで30分。 上山内バス停から徒歩10分。交差点角に北向きに登る道があります。看板もあるのでわかりやすいと思います(20161026日)。




童男山1号墳基本データ

所在地 福岡県八女市上山内

形状 円墳

規模 径48m 高さ6.7m(現状) 石室長 18m 

築造時期 6C

出土品 不明

史跡指定 県指定

特記事項 現地説明板によれば石室は江戸時代から開口していたことが久留米藩士矢野一貞の書いた「筑後将士軍団」からも明らかになっているそうです。


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