周濠に囲まれた期待を越える前方後円墳


 今回の中期古墳は5C央に築かれたと考えられている双子塚古墳です。熊本県山鹿市の県立装飾古墳館に隣接しており、いくつもの円墳とともに岩原(いわばる)古墳群として、敷地内に整備保存されています。失礼ながらそれほど期待していなかっただけに動画1の冒頭、広がる緑の中の墳丘を目にした時の驚きは尋常ではありませんでした。しかも墳丘の輪郭が草刈直後ということもあり実に明瞭なのです。これが墳長107m?ずっと大きく見えます。とりわけ20mほどの周濠の外からみるとそう感じます。墳丘前方部の高さは8m。後円部のそれと1mしか違いません。典型的な前期の前方後円墳では前方部の高さは後円部よりもずっと低く、そこからもこの古墳が中期に築かれたことがわかります。ただ、不思議なことに目の錯覚でしょうか。実際に後円部に登って前方部方向をみると、動画3にあるように前方部はずっと低くみえます。おそらく前方部が後円部近くのくびれ辺りにかけて下がっているからではないかと思いました。

 川原石と思われる葺石があちらこちらに残り当時をしのばせてくれました。発掘調査の結果、三段築成の墳丘には円筒埴輪が据えられていたことがわかっていますが、埋葬施設については行われていません。既にアップした墳長が同規模のものでは奈良県のナガレ山、同じく奈良県の三陵墓東、千葉県の姉崎二子塚、三重県の宝塚1号墳、奈良県の塩塚、群馬県保渡田古墳群の中二子と数多くあります(いずれもクリックすれば飛べます)。同じ前方後円墳でもずいぶんと印象が違うことがわかります。比較してご覧ください。

 熊本県立装飾古墳館は特徴的な装飾壁画のある古墳石室をレプリカで再現してあって見応えがあります。同種の博物館がないだけに貴重です。それに負けず劣らず二子塚古墳を中心とするこの岩原(いわばる)古墳群もお見逃しなく。

 アクセスはよくありません。熊本市内からバスを利用する場合、山鹿バスセンターまで1時間以上かけて行き、そこから別の路線に乗り換えて、装飾古墳館前で下車。徒歩20分です。接続のバスが来るまで1時間以上待たなければならなかったので結局タクシーに乗らざるを得ませんでした。それでも、熊本バスセンターを朝出発し、装飾古墳館に着いたのは昼近くでした。県立の博物館に行くのにこれほど不便とは。これでは県立装飾古墳館には来てくれるなといわんばかりです。何とかしてほしいと思いました(撮影2016年10月25日)。
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双子塚古墳(岩原古墳群)基本データ

所在地 熊本県山鹿市鹿央町
形状 前方後円墳

規模 墳長107m、後円部径 57m高さ 9m、前方部幅49m 高さ8m、三段築成、周濠あり、

葺石あり

築造時期 5C

出土品 円筒埴輪

史跡指定 国指定(岩原古墳群として)

特記事項 なし


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