緑泥片岩の割石でできた石室が奈良にも! 

<
 今回の後期古墳は奈良県下市町にある岡峯古墳です。近鉄吉野線下市口駅から歩いても15分ほどの吉野川沿いの丘陵にあります。径は15mの円墳ですからそれほど大きくはありません。古墳が有名なのは緑泥片岩でできた見事な石室です。目の当たりにした光の筋。にわか勉強で恐縮ですがヘッドランプの光に反射しているのは緑泥片岩の片理(針状・柱状や板状の鉱物が一定方向に配列する岩石の構造)のようです。緑泥片岩の片理は発達しているのだそうです。他の古墳の石室でもこうした状況をみたことがありますが、これほどではありませんでした。もう一つ岡峯古墳で見逃せないのは、玄室奥壁中央に設けられた石棚です。和歌山県和歌山市の国の特別史跡 岩橋千塚古墳群の数ある石室と同タイプです。たとえば、大谷山22号墳(岩橋千塚古墳群)(クリック)をご覧ください。岡峯古墳の被葬者と岩橋千塚の被葬者とは生前関係があったのでしょうか。少なくとも工人は同じグループであることは間違いがありません。興味は尽きません。また、なんのために石棚は造られたのでしょうか。葬送儀礼の際に使用したのか、あるいは石室の補強のためでしょうか。色々と想像できそうです。市営住宅敷地内にある古墳は消滅の危機にあったようです。建設途次に、建設が優先されそうになったところ、調査の結果、貴重な古墳だということがわかり、保存に至ったそうです。古墳にとってはラッキーだったとしかいいようがありません。見学には下市町の文化財担当に事前に申請が必要です。アクセスは下市口駅から309号線を南下し吉野川を渡ったところにある千石橋南詰を左折し39号線を川沿いにあるくと600mほどで老人ホーム北野がみえます。超えたところを右折し道なりに上ると動画冒頭のところに出ます(撮影2016年9月5日)。


PNG okaminekofun zu

にほんブログ村 歴史ブログ 考古学・原始・古墳時代へ
にほんブログ村