今回紹介する後期古墳は福岡県福岡市にある夫婦塚2号墳、巨大な複式石室が完存しています。日本海(博多湾・今津湾・玄界灘)に面した福岡市の西部、背振山を挟み佐賀県という平野の端に位置します。小規模な140もの古墳からなる金武古墳群の一つで1号墳とともに同じころに造られたようです。残念ながら1号墳は明治時代に開墾され農地となり墳丘も石室も残されていません。福岡市のHP、文化財情報によれば、江戸時代に著された『筑前国続風土記付録』に「(金武村)乙石の北二丁斗に石窟二あり、共に口は南にむかへり」と記されており、その一つが2号墳というわけです。その頃にはすでにこの地域の人々にはよく知られた存在だったのですね。

 説明版に測量図が載っていますが方墳のようにも円墳のようにもみえネットで検索してもバラバラです。墳丘が一部崩れているためなのでしょうか。墳丘の遺存状況に比べると驚くほど石室はよく残されています。つい最近の築造というのは大げさにしてもとても1500年近くも前に造られたものとは思えません。一つの理由は花崗岩の一枚板石の巨石が豊富に使われているためなのでしょう。

肥後(熊本)地域が発祥といわれる九州に数多くみられる複式式石室の姿が非常によく残されています。複数の玄室があるために石室の長さは11mもありこれまでアップした古墳の中では埼玉県行田市の終末期の八幡山古墳14mにつぐものです。羨道はハの字型に広がっています。比較する意味があるかどうかはわかりませんが受ける印象はだいぶ違います。ぜひ八幡山古墳もご覧ください(クリックすれば飛べます)。皆さんはどう思われますか。
  古墳は竹林に囲まれています。動画1で確認できるように奥室から羨道方向を眺めると竹林がそよぎ、なかなかの風情です。
 

アクセスは天神から西鉄バス2番系統 金武営業所行きで南金武下車。かなたけの里公園まで徒歩10分(標識が出ている)。その管理棟で詳細を聞くのがよいでしょう。管理棟から徒歩7-8分、動画4のはじめに出てくる景色が道路越しに見えます(撮影2015年12月26日)。




 

夫婦塚2号基本データ

所在地 福岡県福岡市西区

形状 方墳(円墳)

規模 35mとも25mとも

築造時期 6C

出土品 須恵器、土師器、鉄釘、銅釘

史跡指定 福岡市指定

特記事項 横穴石室が完存している。全長11.5m、後室(奥)長3.6m 幅2.45m 高さ3.15m、前室長2.23m 幅2m 高さ2m、羨道長3.45m1.4m


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