ピンク石の石棺が露出する前方後円墳
 今回の中期古墳はこれまで何度も紹介してきた多数の古墳が存在する桜井市の兜塚古墳、前方後円墳です。墳長50mの中規模古墳で前方部に露出する阿蘇凝灰岩(ピンク石)製の石棺で有名です。桜井茶臼山古墳(クリックすれば飛べます)から南に2kmほどの浅古に位置しますが奈良の中期古墳でほぼ同じ頃といえば三陵墓東古墳(色が反転しているものはクリックすれば飛べます)があり、5C初期、前半には馬見丘陵の古墳群(ナガレ山古墳)が思い出されます。
  全体として畿内ではこの時期大王墓以外は小型化が進んでいたことを考えれば墳長50mの前方後円墳はそれなりの権力者が眠っていると考えてよいのではないでしょうか。動画1で見るように周辺は住宅が密集しかろうじて丘陵に古墳が確認できます。浅古の交差点にある八坂神社南側から前方部に登るといきなり縄掛け突起のある石棺が迎えてくれます。たしかにピンクで少々感激。有力者である証拠ともいえる石棺です。ただ上半分しか覗いていないので一回目に訪れた夏場は草に覆われてよく見えませんでした。草刈りが終わったあとの再訪では動画3のようによく見えました。石室は埋没していますが現在の石棺の上には盛り土があったようです。
  この石棺のある前方部墳頂に立つと西側に後円部が広がります。桜井市立埋蔵文化財センターの担当者の話によれば平成11年の測量調査によって以前後円部と考えられていた石棺のある場所は前方部であることがわかったそうです。後円部にも埋葬施設があったと考えられ盗掘跡ではないかと思われる陥没もあるようです。ただ二段なのか三段なのか段築は未確認とのこと。その墳丘は動画4でおわかりのように墳丘に沿って民間企業の土地がぎりぎりまで迫り窮屈そのものです。それでも姫路市の瓢塚古墳の環境よりはよほどましです。じっくりご覧ください。
  アクセスは桜井駅から多武峰( とうのみね)行きのバスで浅古で下車。八坂神社南側の路地を左折すると左側に入口が見えます。ただ桜井市の駅から歩いても30分ほどです。駅観光案内所で地図を貰い説明を受けるとよいでしょう(撮影2015年11月25日)。



兜塚古墳基本データ

所在地 奈良県桜井市浅古

形状 前方後円墳

規模 墳長50m、後円部28m 高さ4m、前方部25m 高さ4m

段築 不明、葺石あり

築造時期 5C

出土品 管玉等玉、鉄鏃、埴輪片

史跡指定 桜井市

特記事項 阿蘇凝灰岩(ぴんく石)製の石棺 約2.1m、幅、高さ約1m



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