古墳マニア必見の石で覆われた前方後円墳
 今回紹介する前期古墳、石船塚古墳はご覧頂けばわかるように積石によって墳丘が築かれた珍しい古墳です。香川県高松市峰山の丘陵尾根には、こうした積石の古墳が3C半ばから4Cに連続して造られ、その形も双方中円墳、前方後円墳、方墳など多様です。以前、韓国ソウルの石村洞古墳を見て頂きましたが日本でも同様の積石塚がないか関心をもっていたところ、ある方から高松市の石清尾山(いわせおやま)古墳群を見るように勧められました。その意味からも満を持して訪ねたことになるのですが、本当に見学してよかったと思いました。同じ前方後円墳でも土を盛り上げて墳丘と、ごつごつした安山岩を積んで造った墳丘とではまったく印象が違います。荒々しさの中にも強い意志を感じる、そんな気がしました。それにしても足場が悪く、他の古墳を登っている途中に積石が崩れて尻もちをついてしまったのです。雨で積石が濡れていたらとても撮影は難しく、訪ねる方は天候を十分にチェックすることをお勧めします。なぜ土ではなく石なのかという疑問に対しては白石太一郎さんは「土よりも石材のほうが利用しやすい地理的環境によったものと考えられています」と記しています(古墳の知識Ⅰ、墳丘と内部構造、東京美術、1985年)。朝鮮半島の影響というわけではないのですね。

 墳丘は全長57mの典型的な柄鏡式の前期古墳で、前方部が細く幅も狭いのが特徴です。全体として墳丘の残りがよかったために石清尾山古墳群中最初に国の史跡に指定されたということは素人にも納得がいきます。群中の他の古墳は墳丘を遠くから眺めることが難しい中石船塚古墳は例外的です。石清尾山古墳群のなかで最初に紹介することにした理由はそこにあります。動画3の後半で出てくる刳抜式石棺(石を刳抜き、身と蓋(ふた)はなる)は動画ではよくわかりませんが身のほうに石枕が作られています。

 現地へは高松駅琴電バスループバス市民病院(行きは西回りで30分)下車、徒歩約45分で標高約230mの峰山公園まで登り管理事務所で古墳群の地図をもらうのがよいでしょう。点在する古墳を歩くのに約2-3時間かかりますが、尾根からは北方向に瀬戸内海がよく見えます。
(撮影2016年3月24日)

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