入室しやすいお勧めの石室
 今回の後期古墳では赤坂天王山古墳群の3号墳を紹介します。既にご覧になられた方も

多いと思いますが2015年11月2日に方墳の赤坂天王山1号墳クリックすれば直接飛べます)をアップしています。今回の3号墳を含め1号墳以外はみな円墳(10基以上)だそうです。しかも一辺約50mで三段築成の1号墳に対して、一回りも二回りも小さい円墳です。そうしたところから1号墳の被葬者が特別な人物であったと考えられ暗殺された崇峻天皇の真陵ではないかというのが専門家を含め大方の見方であることをご紹介しました。

 今回の3号墳は1号墳の北側近くの雑木林のなかにひっそりと佇んでいました。この古墳も二度訪れましたが、はじめて訪れた際1号墳にたどり着けず、石室の開口部分が目に入った3号墳を1号墳と勘違いした経緯があります。1号墳に比べると開口部がやや大きいからでしょうか不気味さもあまり感じぜず入室することができました。石室の長さは1号墳が15.2mに対して9.35m、玄室長6.5mに対して4.25mとだいぶこぶりです。専門家には花崗岩で築かれた石室は「奥壁は4段、側壁は4段もしくは5段で積まれているが、石材の大きさは様々で1号墳に比べ乱雑な印象を受ける」そうです。たしかに動画で比較してみると素人目にも1号、3号の違いは明らかに思われます。とはいえ石室の側壁が天井近くになるに従い内傾するという「持ち送り」の特徴などよくわかりますし、石室を閉じる役割を果たす閉塞石の存在もはっきりと確認することができます。

 3号墳の築造の時期ですが興味深い専門家の議論があります。前述のように1号墳のみが方墳で残りは全て円墳であることから、円墳の古墳群が存在するところに方墳の1号墳が後に分け入るように造られたという見方です(桜井の横穴式石室を訪ねて 桜井市立埋蔵文化財センター、2010)。そうした解釈に立てば3号墳も1号墳よりも早く築かれたということになります。なかなか興味深い指摘です。いささか1号墳について触れすぎたような気がしますが、是非、1号墳と比較しながらご覧ください。

 アクセスは近鉄、JR桜井駅南口から宇陀方面行きで下尾口(さがりおぐち)下車徒歩10分。北口の観光案内所に地図があります(撮影2015年10月28日)。



赤坂天王山3号墳基本データ

所在地 奈良県桜井市倉橋

形状 円墳

規模 径11.2m 高さ4.5m 二段築成

石室 全長約10m、玄室長さ 4.3m 幅2.5m 高さ2.6m、羨道長さ 6m、幅1.7m

築造時期 6C末、7C

出土品 不明

史跡指定 赤坂天王山古墳群として国指定

特記事項 1号墳とセットで見学したい



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