丘陵の先端にそびえる巨大円墳
  今回は京都府の福知山盆地の丘陵先端部にある巨大円墳、私市(きさいち)丸山古墳を紹介します。天気に恵まれなかったのが残念でしたが、その壮大な規模の一部でも味わって頂ければと思います。コミュニティーバスで通ってきた道から見上げる以外に、その全体像をつかむのは難しそうです。近くによると動画2のように古墳が壁のように立ちはだかっています。丘陵の上に立っているためにデータでみるよりもよほど大きい印象を受けました。

 他方、私市円山よりも一回り大きな円墳が710日にアップした兵庫県朝来市の茶すり山古墳です。但馬と丹後、地理的見ても近く、縄文時代から活発な交流があったようで、葬送儀礼も共通のものを採用したことが明らかになっています。とても興味深い二つの古墳の比較があります。ご興味のある方は京都埋蔵文化財センターのHPからどうぞ(杉原和雄、丹波・私市円山古墳と但馬・茶すり山古墳京都府埋蔵文化財論集、第6集、2010)。

 動画撮影位置からもお分かりのように舞鶴若狭自動車道が古墳の造り出しの下をくぐっています。建設時に関係者の尽力で計画が変更され古墳の保存と高速道路の必要性を両立させたのです。大変、喜ばしいことではないでしょうか。

 アクセスはJR福知山線の綾部駅からコミュニティーバス、綾バスで湯殿下車、徒歩で10分。一時間に一本ほど。ただ、公園内は急な山道なのでご注意を(撮影日2015年11月26日)。
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私市円山古墳 基本データ

所在地 京都府綾部市私市町円山

形状 円墳

規模 径70m 高さ10m、平地との高低差60m、墳頂の標高94m

3段築成

築造時期 5C

出土品 短甲、衝角付冑、鉄刀等の武器・武具類、農工具、鏡、玉類等

史跡指定 国指定

特記事項 幅18m 長さ10mの造り出しあり

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