今回はまた前期古墳に戻り栃木県那珂川町の前方後方墳、駒形大塚古墳を紹介します。墳長64mほどの規模ですが、二つの理由で貴重な古墳だといわれています。一つは那須八幡塚古墳、吉田温泉(ゆせん)神社古墳とともにさほど離れていない距離に同じ形式の前方後方墳が築造されていることです(位置関係は116日アップの那須八幡塚古墳で確認してください)。このあたり一帯を支配したグループの権力者が、継続して築造したと考えられています。出土品などから駒形大塚、那須八幡塚、吉田温泉神社の順で4C央から末にかけて築造されたといわれています。駒形大塚が八幡塚よりもやや大きく吉田温泉神社は二つよりも小規模です。

 二つは副葬品の豊富さです。駒形大塚では舶載鏡(輸入)の画文帯四獣鏡、那須八幡塚では舶載の夔鳳鏡(きほうきょう)、吉田温泉神社では古墳に隣接して殯(もがり、死者を葬る前に長期にわたり仮安置する葬送儀礼)を行ったと思われる竪穴住居の跡が発見されています。このような理由から那須小川古墳群として国の史跡に指定されています。

 残念なことに駒形大塚古墳の前方部は動画からわかるように削平されほぼ平坦状になっています。撥(バチ)状になっていた前方部は想像するしかありません。とはいえ動画1でおわかりのように墳丘の形はよくわかります。

 日本の古墳は前方後円墳が代名詞のようになっていますが、前期を中心に、この那須小川古墳群など前方後方墳が数多く残されています。群馬の前橋の八幡山古墳(727)、郡山の大安場古墳(626日)に加え、いずれ紹介する名取市の飯野坂古墳群もそうです。東国に前方後方墳が偏在しているのはどのような理由なのでしょう。

 アクセスは決してよいとはいえません。コミュニティーバスは通ってはいますが、本数が少なくて(午前、午後3)計画を練るのに苦労しました。那須八幡塚に寄り、そこから駒形大塚古墳を訪ねるとよいでしょう。東野バス馬頭烏山線で小川仲町下車徒歩20分。()吉野工業所那須小川町工場を目指すとよいでしょう。そこから駒形大塚までは徒歩でさらに30分ほどかかります。帰りは小川中学校バス停から東野バスで西那須野駅に戻るのがよいでしょう(撮影日2015年10月22日)。


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駒形大塚古墳データ

所在地 栃木県那珂川町小川

形状 前方後方墳

規模 墳長 64m、後方部 32×30 高さ8m、前方部幅 18m 高さ 不明

築造時期 4C

出土品 画文帯四獣鏡(舶載鏡)、銅鏃、直刀、刀子、鉄剣、ヤリガンナ、鉄斧、
ガラス玉

史跡指定 那須小川古墳群として那須八幡塚古墳、吉田温泉神社古墳とともに
国指定

特記事項 後方部から3.2m×0.75mの炭で覆った棺(木炭槨)が発掘されている。


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