美旗古墳群の重要な一基ですが・・・
 今回は1024日にアップした馬塚古墳と同じ美旗古墳群に属する毘沙門塚古墳を紹介します。馬塚古墳から北方向に1kmほどいったところにある墳長65mの前方後円墳です。築造時期は毘沙門塚のほうが古いと推定されています。墳丘は動画でおわかりのように馬塚とは違い雑木林に竹林が混ざり合った雑然とした状況です。ただ、動画でどこまで撮れたかはわかりませんが、よく見ると墳丘が造り出しを含めよく残っています。それにしても馬塚と同様、後円部の盗掘坑の跡には驚かされます。抉り取られ石室の天井板と思われる石が散乱しています。残念ながらブログ掲載の時点では後円部、前方部の高さはわかっていません。墳長以外は、史跡 美旗古墳群のパンフレットにも記載されておらず、やむを得ず、データには後円部径と前方部幅は掲載されている測量図をもとに試算した数字をあげました。しかし、後円部から前方部に下ってみると結構な高低差があった気がします。

 地元の方々にもあまり馴染みがないようで古墳を取り巻く周濠脇で農作業をしていたお爺ちゃんも、子供の頃に後円部に登ったことがあるだけだと言っていました。それにしても動画1に映っているように太陽光発電所のパネルが古墳の東側に接近して広がっている光景は不思議の一語でした。古代のモニュメントと現代の最先端技術が混在しているわけです。この地を治めた伊賀氏が被葬者として想定されているようですが、さぞかし驚いているのではないでしょうか。

 アクセスは近鉄大阪線美旗駅から57号線を北上し美旗小学校を越えた一つ目を左折すると近鉄の高架が見えます(動画1)、それを越えた正面が古墳です。徒歩で20分(撮影日2015年10月12日)。

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毘沙門塚古墳データ

所在地 三重県名張市美旗町

形状 前方後円墳

規模 墳長 65m、後円部径42m(推定) 高さ不明、前方部幅35m(推定)、高さ不明

3段築成、6m幅の周濠

出土品 円筒埴輪、木製の長さ176㎝ 厚さ8㎝の板

史跡指定 美旗古墳群として国指定

特記事項 なし

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