二重の周濠も復元した大型前方後円墳
 既にアップした二子山古墳(クリックすれば飛べます)同様、群馬県高崎市の保渡田古墳群に属する八幡塚古墳が今回紹介する古墳です。墳長102mの堂々たる前方後円墳です。1981年、上越新幹線建設予定地の群馬町大字三ツ寺から発掘された古墳時代の豪族の館跡(三ツ寺Ⅰ遺跡)の主が眠っていると考えられています。三ツ寺I遺跡とは1kmほどしか離れていません。三ツ寺遺跡は新幹線と県道に分断されて、当時の様子をうかがい知ることはできませんが、こちら保渡田古墳群は違います。西光寺と墓地があり墳丘が大きく削平されている薬師塚古墳は別にして、既にご覧頂いた二子山古墳と今回の八幡塚古墳は見事に復原されています。

二つの古墳ともに中島と呼ばれる祭式が行われたとされる造り出しのようなものがあります。八幡塚古墳の動画では、かする程度にしか映っていません。5C後半に二子山が築かれ、ついで今回の八幡塚、そして薬師塚の順で造られたと考えられているようです。八幡塚古墳は三段築成、動画でみるようにびっしりと葺石が葺かれ、円筒埴輪が並んでいました。前方部の前の堤には祭祀が行われたであろう円筒埴輪で囲まれた区域があり、人物、形象埴輪が林立しています。後円部の竪穴石室は墳頂下に復原され公開されていますが、こうした形での復原は珍しいと思います。後期古墳に位置する前方後円墳の埋葬施設は横穴石室が多く、その点でも興味深いです。ただ、専門家のお話のように保渡田古墳群が中期と後期の移行期と考えれば納得がいきます。是非、現地にいらしたらご覧ください。古墳群内にあるかみつけの里博物館の休館日(火曜及び火曜が祝日となった場合の翌日)は閉鎖されています。ご注意ください。

二度目の訪問ですが、天気が急変し全体的に暗い動画になってしまいました。やむなく好天時だった一度目の訪問の静止画像で補いました。もっとも古代にもこのような天候はあったわけですし、それどころか榛名山の噴火も受けていることを思い出しました(墳丘は埋没を免れたそうです)。アクセスはJR高崎駅から市内循環 ぐるりんバスでかみつけの里博物館前下車。本数は少なく、2時間に1本程度です。少々不便です。その後三度目の訪問を果たし4本の動画を追加しました。古墳データのあとに挿入しています。なお動画撮影位置の図は先行した分のみです(撮影2013年1月23日、2015年2月19日、2017年8月23日)。

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八幡塚古墳データ

所在地 群馬県高崎市保渡田町、井出町

形状 前方後円墳

規模 墳長102m 後円部径56m 高さ6m、前方部幅53m 

高さ4.8m(削平されたので不明との情報も)

築造時期 5C

出土品 副葬品は鉄地金銅張f字形鏡板の轡と同剣菱形杏葉

史跡指定 国指定

特記事項 堀のなかに四つの島状区域がある。




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