葺石に映える墳丘を見上げることのできる古墳
 今回は長野県千曲市の有明山の山頂近く、標高490mにある森将軍塚古墳です。古墳築造の大きな目的が権力の見せつけであるとすれば、現在でもそれが確認できるという点で森将軍塚古墳ほど相応しいところも少ないのではないでしょうか。動画1でお分かりのように上信越道屋代のバス停から、その姿をはっきりと捉えることができます。

 二度目の訪問になりましたが今回も見事に整備された古墳に驚かされました。ボランティアガイドさんの話では、専門業者に加えボランティアの方々が定期的に草取りをしているのだそうです。昭和40年代の高度成長期に土砂採石がはじまり古墳の保存運動が市民、研究者、行政によってなされたことと無関係ではないと思います。

 それにしてもなぜ森将軍塚なのか。それは全国に数多くの将軍塚と名のつく古墳があり、ここ埴科(はにしな)古墳群にも、有明山、倉科、土口が頭についた将軍塚古墳があるからだそうです。この地名、森にちなんで森将軍塚と呼ばれているそうです。

 尾根を利用して造られた墳丘は動画6でもおわかりのように山側は直線になっていて、これまでの前方後円墳とはかなり趣が異なります。Yahooの地図、空撮した画像からも明瞭にわかります。

変わっているといえば動画5でも一部を紹介している小さな墳墓が墳丘周囲に60基を越えてあることです。縁の深い関係者が陪塚(ばいちょう)という形で主葬者の墳墓の近くに墓を設けることは知っていましたが、これほど集中しているのは見たことがありません。

 肝心の被葬者の葬られた後円部の石室ですが麓のガイダンス施設森将軍塚古墳館で精緻なレプリカがみられます。盗掘穴から、上部からと石室をさまざまな角度からみることのできるよくできたレプリカです。

 アクセスは私の場合は新宿から京王高速バス、善光寺平大門行に乗り上信越道屋代で下車。そこから古墳館まで徒歩で5-6分でした。一時間に一本出ています。前回は古墳まで歩きましたが3-40分かかったので、今回は古墳までのバスを利用しました。時間があれば徒歩をお勧めします。他のアクセス方法は古墳館HPに詳しいです(撮影2015年8月6日)。

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森将軍塚古墳データ
所在地 長野県千曲市大字森字大穴山
形状 前方後円墳規模 墳長100m、後円部径45m 高さ10m、
前方部幅30m 高さ4m(いずれも約)
築造時期 4C央
出土品  三角縁神獣鏡の破片、 鉄製鎌・ノミ、鉄製鏃、鉄剣、鉄刀、勾玉、
管玉等玉類
史跡指定 国指定
特記事項 後円部のほぼ中央にある割石小口積の竪穴式石室は、
二重に築かれた石垣状の墓壙の中に設けられている。
石室は全長7.7m、幅平均2m、深さ2.1mを数え、その四隅が丸く作られている
(国指定文化財等データベースの森将軍塚の説明より)。