考古学的に貴重な纏向型前方後円墳の一基
 今回は箸墓古墳の後円部から南側に300mほどのところにあるホケノ山古墳を紹介します。箸墓古墳以降に定型化する前方後円墳より前の段階のもので、後円部に比べ前方部が短く、帆立貝のようになっています。纏向型研究センター長の寺沢薫さんはホケノ山古墳を含め、纏向石塚、纏向矢塚はじめ全国の同型古墳を纏向型前方後円墳と呼んでいます。復原された墳丘を空撮画像でみると(Yahooの地図検索)、たしかにはっきりとその形がわかります。森におおわれてはいる箸墓古墳の空撮画像と是非見比べてください。

 三段築成の墳丘や前方部の様子は春の撮影のために草に覆われて明瞭ではありません。そこで、冬場に撮った静止画像で補足しています。墳長は約80mですが、後円部の高さ8.5m、前方部の高さは3.5mとかなり差があります。後円部から前方部を撮った動画で、その差がわかりますでしょうか。後円部に石積みで囲った木槨、前方部裾の葺石を破壊して造った埋葬施設がそれぞれあるそうです。後者は復原されて位置がわかるようになっています。画文帯神獣鏡、鏡片、鉄製刀剣類、銅鏃、鉄製農工具等副葬品も豊富だったそうです。

 アクセスは箸墓古墳の後円部側からJR桜井線の踏切を渡り100mほど道なりに進むと国津神社があり、その裏手になります(2015年4月17日)。

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ホケノ山古墳データ
所在地 奈良県桜井市大字箸中
形状 前方後円型墳丘墓(纏向型前方後円墳)
規模 墳長約80m、後円部径約55m 高さ8.5m、前方部長25m 高さ3.5m
築造時期 3C央出土品 画文帯神獣鏡、鏡片、鉄製刀剣類、銅鏃、鉄製農工具等史跡指定 纏向古墳群として国指定
特記事項 墳丘の周囲には10.5mから17mの周濠があったそうです
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