美しい葺石が見事な復元大型前方後円墳
 ようやく三度目の訪問で動画を撮ることができました。一度目は臨時の休館日、二度目はまだ動画を撮っていない時期でした。梅雨時だったので葺石の間から雑草が顔をのぞかしているのではないかと心配しましたが、動画1でご覧頂けるように、実に美しい姿を見ることができました。生駒山系を借景にした古墳です。古墳を囲む溜池は平安時代のものだそうですが築造当時の5C前半にはどうなっていたのでしょうか。興味はつきません。

動画4でお分かりのように心合寺山古墳は中期の古墳によくみられるように前方部が後円部と同じくらいの高さ(12m、後円部高さ13m)になっています。復原されている墳丘は三分の二ほどなので、築造時の後円部からみた前方部はより大きなものだったのではないでしょうか。それにしても前方部の方形壇は犬山市の青塚古墳(まだアップしていません)で見ただけだったので新鮮でした。

大阪市立大学の岸本直文さんは、心合寺山古墳は同じ頃に造られたとされる前方後円墳の雄、大仙古墳(仁徳天皇陵)と測量の結果が似ており、ヤマト王権の王墓をモデルにしたのではないか、したがって心合寺山古墳の被葬者は中央権力ときわめて近しい有力豪族ではなかったかという趣旨のことを述べておられます(「心合寺山古墳とその時代」史跡心合寺山古墳整備完成記念 講演会記録集。八尾市教育委員会、2006年)。墳長160mというのも全国で60番目ぐらいだそうですから、なるほどと思いました。

アクセスは近鉄河内山本駅から瓢箪山駅行で大竹下車徒歩5分。バスの本数は1時間に3ないし4本です(撮影、2014年6月26日)。

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心合寺山古墳基本データ

所在地 大阪府八尾市

形状 前方後円墳

規模 墳長160m 後円部径92m 高さ13m、前方部幅90m 高さ12m

3段築成 周濠がめぐる

築造時期 5C

出土品 銅鏡、埴輪、甲冑

史跡指定 国指定

特記事項 粘土槨3基 木棺1基の埋葬施設が後円部にあり、前方部端にも方形の基壇がある

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