周濠を含め残りのよい中型の方墳
夫婦塚とも呼ばれているようですが100mほど離れた距離に2基の古墳。聖塚は一辺54m、今回の菖蒲塚(あやめ塚)古墳は一辺32mの方墳です。聖塚の説明にも書きましたが、圃場整備がこの両古墳の重要性から撤回され、水田を含め周囲の景観を損なうことなく保存されているのは すばらしいことです。 肝心の古墳ですがあやめ塚のほうが幅6mの周濠部分を含め保存されているので聖塚(幅12mの周濠がめぐっているが、現状はずっと幅が狭い)よりも墳丘規模は小さいにもかかわらず、なかなかの風格です。また、聖塚では現状では十分に観察できなかった造出しが墳丘南側にはっきり見えるのもいいですね。方墳としては一回り以上大きな聖塚よりも、あやめ塚古墳のほうが早く造られたとみられています。したがって埋葬施設は、過去に聖塚で粘土槨が確認されていることからすればあやめ塚も粘土槨ではないかと考えます。
墳丘の美しい方墳でしたが、今回のように草刈り直後という偶然にも助けられたと思います。草茫々の時期もあることは覚悟しておかなければなりません。事前に綾部資料館など行政に問い合わせればわかる場合もあります(私はよくそうしています)。 説明板によれば造出しは2段に突出する特異な形態だそうですが、現状からはよくわかりませんでした。確認されている葺石と埴輪列。石の山よりも現状のほうが美しいようにも思うのですが(撮影2020年6月23日)。
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