孟宗竹に目を奪われる小型の穹窿式(ドーム型)石室
樋の口古墳前の道路を南に歩き、すぐのところに今回の玉蔓(たまかずら)古墳への登り口があります。竹林の間に地元の方でしょうか、ロープを張ってくださっているので迷うことはありません。ただ、大型の孟宗竹が風雨にさらされてあちらこちらで倒れ道を塞いでいます。現地を訪れる際には十分注意してください。径13mの円墳ですが、墳丘には鮮やかな緑色の孟宗竹が石室を守るように生えています。ただ、墳丘にとりよいわけはありません。この分では石室石材の間から竹の根が顔を出し、石室を崩壊させるのではと心配になります。 それはともかく、長さ3.5mの羨道と、同じ奥行きの玄室の残りはよく、小型ながら持ち送りの急な穹窿式の石室を十分に観察できます。このブログでは佐賀県の古墳石室を数多く紹介し、この唐津市でも樋の口古墳、横田下古墳、島田塚古墳(いずれもクリックすれば飛べます)を見ています。ただ、近接しているにもかかわらず、それぞれの古墳は個性的であまり共通点を見出すことはできません。比較的大型の腰石に小型の石材を積み上げていくという奥壁の造られ方に着目すると今回の玉蔓古墳は、太良町の田古里古墳に比較的似ている感じがします。もっとも天井高は田古里古墳は4.5mとはるかにスケールは大きいです。玄門を境にして玄室幅が羨道幅より大きくなる両袖式の玄室ということがよくわかるのもよいですね。石室への入室に他の古墳のように唐津市への開錠申請はいりません。(撮影2019年12月17日)。
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