学校の校庭ほどの広さに大型石室のある円墳がずらり
今年最後のアップは兵庫県多可町の東山古墳群から10号墳です。東山1号墳、東山15号墳(クリックすれば飛べます)と紹介してきましたが、狭い墓域の中にひしめくように15基余りが築かれている様子は壮観です。数ある群集墳の中でも、その名に相応しく多くの古墳(大半)が残り、埋葬施設も見学可能というところは国の特別史跡和歌山市の岩橋千塚(代表的な古墳にクリックすれば飛べます)、大阪府の新沢千塚(同左です)ぐらいしか思い当たりません。それらはいずれも見応えがある大群集墳ですが、東山古墳群の場合、公園内の16基のうち5基の石室は長さ10mを越える大型のものという点が特徴です。訪れる者からすれば地図でおわかりのように多可高校のグランドより狭い範囲内で多くの貴重な古墳が見学できるのですから「お得」です。是非、背後にそびえる標高693mの妙見山のすそ野に広がる古墳群を訪ねてください。 今回の10号墳は既に紹介した1号墳、15号墳より小ぶりの径22mの円墳です。石室長も12mと1号、15号よりもやや短く、玄室長は6.2m、幅2.1m、高さは2.2m。羨道幅は玄室幅より狭く両袖式の石室です。特徴的に思えるのは1号、15号に見られた玄室の持ち送り(天井に近づくにつれ内傾)がほとんど見られないことです。3基とも7Cに入ってからの築造といわれ1号、10号、15号の順だそうです。築造時期と玄室の型式が関係があるのでしょうか。興味深いところです(撮影2019年12月12日)。
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