実寸よりはるかに大きく見える方墳
五條市の古墳、近内塚山古墳(クリックすれば飛べます)、つじの山古墳(クリックすれば飛べます)、それに今回の五條猫塚古墳といずれも方墳を紹介してきましたが、どれが一番大きく見えたでしょうか。目の錯覚なのでしょうが今回の五條猫塚古墳が最も大きく見えました。実際には墳長52mのつじの山、ついで墳長27mの五條猫塚、そして墳長24mの近内塚山古墳の順です。遠くから、しかも高い位置から眺めることができ周辺に障害物がなく、さらにいえば残る幅15mの周濠が墳丘全体を大きく見せています。墳頂からは京奈和道の先に特徴ある金剛山の山並が見え、古墳は視覚的要素が重要であることを改めて確認しました。
肝心の古墳自身、豊富なしかも特徴ある副葬品が出土したことで知られています。動画2の後半で紹介している蒙古鉢形眉庇付冑(もうこばちがたまびさしつきかぶと)と呼ばれる
モンゴルにみられる冑を含め3点の冑、金銅製透彫銙帯金具の他、ヤットコ、金鎚、タガネ、カナトコ、砥石等の鍛工具類等が出土し、いずれも渡来系工人の存在がうかがわれる史料だそうです。これらのレプリカは五條市文化博物館でみることができます(撮影2019年3月12日、7月11日)。
五條猫塚古墳基本データ
所在地 奈良県五條市近内
形状 方墳
規模 一辺27m(32mとも) 高さ4m、2段築成、葺石あり、幅15mの周濠あり
築造時期 5C央
出土品 長さ5.17mの竪穴石室から金銅製の蒙古鉢形眉庇付冑はじめ武具、農工具等多数
史跡指定 県指定
特記事項 墳丘の規模に比べ副葬品が豊富だったのは古墳が立地点が大和と紀ノ川を介した紀州、中国との結果だと考えられている。
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