のむら紅葉を借景にした前方後円墳の数々
 
 今回は濃尾平野の北西端に位置する岐阜県大野町にある野古墳群を構成する南屋敷西古墳を紹介します。大野町は西に揖斐川、東にその支流の根尾川が流れ、水と緑に囲まれた自然豊かな町ですとHPに書かれていますが、決して大げさではない気がしました。南屋敷西古墳の動画から、その一部でも伝わってくれば嬉しいのですが・・・。

 濃尾平野と古墳というと、少々古墳時代が頭に入り出した私には前方後方墳が思い浮かびます。しかし、この野古墳群は中期から後期(5C後半から6C初頭)にかけて造られたこともあり前方後円墳や円墳の17基からなっています。内前方後円墳は8基です。南屋敷西古墳も墳長76mの前方後円墳です。残念ながら開墾等で消滅した古墳も多く現在9基が残っています。古墳群は各地にありますが、500m四方ほどの狭い地域に密集している野古墳群の数々は壮観といってよいでしょう。野古墳群に先駆けて造られた上磯古墳群(いずれ紹介)には複数の前方後方墳があります。
 それにしても見事な野村もみじです。晩秋落葉するまでに葉の色が7度変わるといわれているそうですが、訪れた時期はその直前、燃えるような赤一色でした。その間に点在するいくつかの古墳。絶妙なバランスです。南屋敷西古墳は動画2でおわかりのように後円部の東側はかつて炭焼きが行われたいたために大きく抉られています。そのためもあって前方部が大きく見えますが測量図をみると後円部の径は前方部幅の倍近い54mもあります。

 アクセスは大変不便です。岐阜駅から岐阜バス 大野バスセンター行に乗り約1時間。終点で下車、徒歩15分です。本数は現地を見学できる本数は日に3、4本ほどです。事前に十分確認が必要です。バスセンター前には大野町役場があり、その隣には立派な図書館もあります。役場で野古墳群までの地図を貰うとよいでしょう(2015年11月18日)。
南屋敷西古墳(野古墳群)基本データ

所在地 岐阜県揖斐郡大野町

形状 前方後円墳

規模 墳長 76m、後円部径54m 高さ5.4m、前方部幅28m 高さ4m

2段築成

築造年代 5C

出土品 埴輪片

史跡指定 野古墳群として国指定

特記事項 葺石あり



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