2015年12月04日
綿貫観音山古墳■(後期)(群馬県)Watanukikannnonyama Tumulus
思わず声の出た驚きの石室
今回の後期古墳は群馬県高崎市にある綿貫観音山古墳です。群馬県最大の横穴石室が後円部にある優美な古墳です。周濠を含め公園として整備されているために、その全体像がより映えています。墳丘は前方部の発達が著しく、高さは動画のキャプションでも触れているように、高さはほぼ同じです。これらは後期前方後円墳の特徴の一つだそうです。加えて前方部の幅が後円部径よりもやや大きくなっている点も同様の理由です。墳丘に自由に登れるために、それらの特徴を実感することができます。
6月6日にアップした同じ高崎市にある横穴石室を持つ後期古墳八幡八幡塚古墳は今回の綿貫観音山古墳よりも新しいものですが、是非、比較してご覧ください。豪華な副葬品が出土し、多くが国の重要文化財に指定されている点でも共通しています。特に驚かされたのは、現地では見られませんが、出土した獣帯鏡は韓国公州にある百済武寧王の墓から発掘された獣帯鏡と同じ鋳型で造られた同笵鏡だということを知った時でした(出土品は国立博物館及び一部は群馬県立博物館が所蔵)。百済、新羅と倭との交流の深さは常識ですが、発掘された資料から指摘されると説得力はまた一段と深まります。
アクセスは高崎駅東口から、市内循環バス「ぐるりん」群馬の森線【健大先回り】系統番号9(群馬中央バス)で綿貫団地南で下車。北に徒歩7-8分です。動画2で触れた不動山古墳はバス停の目の前です。本数は1時間1本程度です。なお石室の見学は県教育委員会事務局文化財保護課への事前申し込みが必要で、HPに手続き書類が掲載されています(撮影日2015年8月25日)。
綿貫観音山古墳データ
形状 前方後円墳
規模 墳長97m、後円部径61m 高さ9.6m、前方部幅64m 高さ9.1m
築造時期 6C後
出土品 2枚の銅鏡、金製、銀製、ガラス製の装身具、大刀、小刀、刀子、矛、鉄鏃、冑、挂甲などの武具、金銅製轡、鞍、鐙、雲珠などの馬具、須恵器の大甕、壺、坏、土師器の壺、高杯、銅製の水瓶などの容器類等500点以上(大半は国の重要文化財)
史跡指定 国指定
特記事項 石室 全長12.65m、玄室長8.12m、幅(奥)3.95m、(前)3.16m、羨道長4.53m、幅(奥)2.40m、(前)1.34m 群馬県最大の石室
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