見逃せない後期古墳の貴重な石室と石棺
  今回は2015年1024日にアップした安倍文殊院西古墳から400mほど北東方向にある艸墓古墳を紹介します。7C中頃の築造と考えられる終末期古墳です。文殊院西古墳よりも前に造られたことになります。比較的小規模の方墳ですが住宅に三方を囲まれ、残念ながらその全体像を見ることは叶いません。袋小路とも思われるような狭い道を通り抜けたところ開口した石室のある墳丘が目に入りました(古墳訪問のためとはいえ私道を通らせて頂いているような気がして申し訳ない気持ちです)。国の史跡に指定されている理由は勿論、全長13mを越える石室と石棺です。

 それにしても不思議なのは天井高に比した石棺の大きさです。どうやってあの大きな石棺を入れたのだろう。疑問に思わない方が不思議です。素直に考えればまず、石棺を置き後から石室を組み、墳丘を最後に構築したということなのでしょう。そう思っていたところ、専門家の方々もそのようにみているようです(断定はしていませんが、桜井市埋蔵文化財センター「桜井の横穴式石室を訪ねて」もそう述べています)。花崗岩で組まれた奥壁、側壁、天井の見事さだけではありません。石組の間の目地には漆喰で埋められているなど新しい技術も確認できます(前掲書、桜井市埋蔵文化財センター)。

石室の広さと石棺のバランスが素晴らしいのは、112日にアップした赤坂天王山古墳です。艸墓古墳石室、石棺と比較してみてください。

アクセスはバスを待つよりも歩いたほうが早いような気がします。JRあるいは近鉄桜井駅南口に出て南に下ります。駅前の信号を含め三つ目を過ぎると右手高台に桜井小学校が見えます。通り過ぎると信号があり、右手に進んだところに案内板があります。駅から徒歩で20分ほどです。ここからすぐですが説明が難しいので駅前の観光案内所で聞かれてから訪ねるのがよいかと思います。文殊院西古墳とセットでどうぞ(撮影日2015年10月14日)。

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艸墓古墳データ

所在地 奈良県桜井市谷

形状 方墳

規模 南北275m、東西21m、高さ8m

築造時期 7C

出土品 不明

史跡指定 国指定

特記事項 石室 全長13.16m、玄室幅2.71m、同長さ4.44m、同高さ2.0m、羨道は長さ8.72m、玄門部での幅1.9m、高さ1.5m

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