季節を選べば墳丘がよくわかる大型前方後円墳
今回は福島県会津若松市の前方後円墳、会津大塚山古墳を紹介します。古墳時代前期から中期に変わる頃、4C後半に築造されたと考えられています。明治新政府と戦い敗れた会津藩ですが、古墳時代の会津はヤマト王権と極めて良好な関係を築いていたようで、それは本古墳からヤマト王権から下賜されたと考えられる三角縁神獣鏡はじめ多数の副葬品が出土したことからも明らかといわれています。
郡山から山越えの後、猪苗代湖を左手に見ながら会津に向う磐越西線の車窓の向こうに、その昔、ヤマト王権と緊密な関係を有する豪族がいたとは。どのようなルートを辿ってヤマトと交流が行われていたのか興味はつきません。
東北の古墳のなかでは極めて重要な位置を占める会津大塚山古墳ですが、残念ながら古墳の全体像は大塚山の森に遮られまったく見ることができません。今では森林と現代のお墓が山を埋め尽くしています。代わりに紅葉の美しさを味わって頂ければと思います。動画ですので、よくみると落ち葉の舞い散る様子も確認できます。なお重要文化財に指定されている三角縁神獣鏡はじめ出土した副葬品は市内の福島県立博物館で見ることができます。
アクセスは大塚山直行のバスはないので、会津若松駅前からコミュニティバスのあかべぇ、ハイカラさんを利用して近くまで行くことをおすすめします。駅の観光案内所で大塚山霊園に行きたいというのがよいでしょう(撮影2014年10月22日)。
会津大塚山古墳データ
所在地 福島県会津若松市一箕町
形状 前方後円墳
規模 墳長 114m、後円部径70m 高さ10m、前方部幅54m 高さ6m
築造時期 4C後半
出土品 三角縁神獣鏡他鏡、勾玉、管玉などの玉類、鉄剣、刀剣、鉄鏃、紡錘車
史跡指定 国指定
特記事項 後円部三段築成、前方部二段築成、後円部から二つの割竹形木棺が
みつかり、前述したものを中心に多数の副葬品が発掘された
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