全国で第7位の墳長を誇る前方後円墳
今回はこれまで紹介した中では290mの墳長を誇る大阪府堺市の土師ニサンザイ古墳です。大仙(仁徳天皇陵)、陵山(履中天皇陵)古墳とともに百舌鳥古墳群を形成し、規模では全国では第8位ですが十分に巨大です。古墳群の中では最も新しい5C後半の築造といわれています。墳丘は陵墓参考地(天皇、皇后、皇太后を葬った陵及びその他の皇族を葬った墓の可能性がある)として宮内庁が管理して一般の人々は近づくことはできないものの、堺市が管理する周濠を囲む御陵山公園は大仙古墳などよりも建造物が接近していないためかその巨大さを実感できます。もっとも陵墓ではないために拝所はなく威厳に欠けると考える人もいるようです。
上空から見た土師ニサンザイ古墳は前方部が大きく広がり、墳丘を囲む周濠が印象的でした。もっとも、築造した人々を含め古代人がこの姿を見ることはなかったわけで実に不思議な気分でした。前方部が大仙(仁徳天皇陵)、陵山(履中天皇陵)が南を向いてるのに対して、近くの御廟山古墳とともに西向きです。それにしてもなぜニサンザイというのでしょう。陵すなわちミササギが訛ったものだそうです。
南海高野線を中百舌鳥駅で下車し、府道28号線を南西方向に1kmほど歩き百舌鳥八幡南の信号を左折すると右に見える森になります。
所在地 大阪府堺市百舌鳥西之町
形状 前方後円墳
規模 墳長290m 後円部径156m 高さ24m 前方部幅226.5m
高さ22.5m
築造時期 5C後
出土品 円筒埴輪、須恵器、木製品(立ち飾り)
史跡指定 宮内庁治定 東百舌鳥陵墓参考地
特記事項 三段築成、二重の周濠がある。堺市は2015年1月30日、
蓋(きぬがさ)を模した木製埴輪の上部に立てられた「立ち飾り」が出土したことを発表した。